ロマン・グロージャン、メルセデスF1ファクトリー(2021年3月30日)、ロマン・グロージャン、炎からの脱出 :2020年F1バーレーンGP

バーレーンGPでの恐ろしいクラッシュからちょうど7ヶ月後、ロマン・グロージャン(35歳)がワールドチャンピオンのメルセデスで1回限りのテストでF1に復帰することになった。

フランス人のグロージャンは、世界中の見出しになり、両手に重度の火傷を負わせたクラッシュが、F1マシンに乗った最後の行動にはならないと決意を固めていた。

ハース在籍中だったグロージャンは、入院していたため昨シーズンの最後の2戦を欠場したが、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフから、グランプリ・レーシングのストーリーを自分の思い通りにするという約束を得た。

2020年12月04日
ロマン・グロージャンのクラッシュ、炎からの脱出、そしてバーレーンの奇跡:F1バーレーンGP ブランドルのコラム
ロマン・グロージャンのクラッシュ、炎からの脱出:2020年F1バーレーンGP

ロマン・グロージャン、炎からの脱出:2020年F1バーレーンGP


ロマン・グロージャン、退院してすぐに救助者と感動の再会。
救助者4名は、メディカル・カーチームのアラン・ファン・デル・メルヴェとイアン・ロバーツ博士、マーシャルのバーレーン民間防衛隊員、ジョン・マシュー上級曹長とセイヤー・アリ・タヘル軍曹。


ロマン・グロージャン、メルセデスF1ファクトリー

その約束が守られ、グロージャンは、自身のクラッシュから7ヶ月後となる6月29日、フランスGPの会場であるシルキュイ・ポール・リカール(ポール・リカール・サーキット)で行われる終日テストで、ルイス・ハミルトンが2019年チャンピオンシップに優勝したメルセデスW10を運転することになった。

またグロージャンは、その2日前、同じ会場で行われる母国グランプリ前に、そのマシンでデモ走行もする予定である。

ロマン・グロージャン、メルセデスW10のシート・フィッティング、トト・ヴォルフに挨拶:メルセデスF1ファクトリー

3月30日にブラックリーにあるメルセデスのファクトリーでシート・フィッティングとシミュレータ・セッションを終了したロマン・グロージャンは「F1マシンに乗れることにとてもワクワクしている!」と述べた。

「僕にとって特別なチャンスになる。ワールド・チャンピオンシップで優勝したメルセデスに乗るのは、ユニークな経験になるだろう」

「このチャンスを与えてくれたメルセデスF1とトトにはとても感謝している。バーレーンの病院のベッドで、メルセデスに乗れるチャンスについて初めて聞いたのは、トトがメディアに話して、招待してくれたときだった。あのニュースには大いに元気づけられたよ!」

「COVID-19のせいで、F1は2020年フランスでレースをするチャンスがなかった。だから2021年フランスGPでメルセデスに乗り、地元トラックであるシルキュイ・ポール・リカールでテストをすることは、とても特別だ。その日が来るのが待ちきれない」

トト・ヴォルフは、この申し出をした理由は、現在インディカーに参戦中のロマン・グロージャンにふさわしい方法でF1キャリアを終えてほしかったからだと説明した。

「この特別な機会でロマンをサポートすることをとても嬉しく思う」

「このアイデアが最初に浮かんだのは、ロマンがF1のキャリアを終えようとするのを見て、F1マシンの最後の瞬間が事故であってほしくないと思ったときだった」

「彼は、成功した長いF1キャリアを過ごしたので、最後の思い出はチャンピオンシップ優勝マシンに乗させてあげたかった。ロマンのW10に対するフィードバックを聞くのが楽しみだ」

「ロマンの事故は、彼らがコックピットに乗り込むたびに直面する危険を思い出させてくれるが、F1か過去数年間に安全性を向上させるためにとった驚くべき足取りの証拠でもある。F1コミュニティは、ロマンがトラックを走るのを見て喜ぶだろう」

ルイス・ハミルトンも、グロージャンがF1マシンに乗ることについて、「本当に嬉しい」

「あの事故が起きたとき、僕らはみんな彼のために祈ったし、現場から歩いて立ち去り、十分回復した姿を見てものすごくホッとした」

「フランスでまた彼に会って、週末に彼をチームに迎えるのが楽しみだ。ただし僕のW10を大事に扱ってほしいものだ」

感動的な場面になるはずなので、6月27日のフランスGPをお見逃しなく。


-Source: The Official Formula 1 Website