ルイス・ハミルトンが語るメルセデスでの最後の瞬間「これを聞くのもこれが最後だ」：2024年F1アブダビGP : F1通信jp

ルイス・ハミルトン、メルセデスでの最後のレースを終えてファンに挨拶：2024年F1アブダビGP

ルイス・ハミルトンは、アブダビGPで16番グリッドから4位フィニッシュという素晴らしい走りを見せた後、メルセデスでの時間が終わりに近づいているという事実を痛感した感動的な瞬間について語った。

土曜日の夕方、Q1で渋滞とボラードへの衝突が重なり、ハミルトンはメルセデス（7度のワールドチャンピオンシップのうちメルセデスで6回優勝）での246回の出場のうち最後の予選Q1で敗退した。ハミルトンは、2025年にフェラーリに移籍する。

しかし、今季のラスト6戦中3度目のQ1敗退という失望を払拭し、ハードからミディアムという、他のドライバーとは違う作戦を使って、見事な走りをみせ、グリッド16番手からチェッカーフラッグ時には4位まで順位を上げた。その順位は、最終周回でチームメイトのジョージ・ラッセルをターン9のアウトサイドから抜いて獲得したものだった。

レース後ハミルトンは、エンジニアのピート・ボノ・ボニントンの「ハンマータイムだ」という伝説的な指示によって、これがメルセデスでの最後の出場になるという事実を痛感したと明かした。メルセデスのエンジンは、ハミルトンのF1での105回の勝利全てに動力を与えてきた。

ルイス・ハミルトン

「（ボノが）『ハンマータイムだ』と言ったときに気づいた。『これを聞くのもこれが最後だ』と思った」

「その瞬間、本当にピンときた。でも、当然ながら、僕の（グリッド上の）順位からすると、本当に本当に厳しいレースだった」

ルイス・ハミルトン、ファイナルラップでジョージ・ラッセルを抜いて4位でメルセデスでの最後のレースでフィニッシュラインを越える：2024年F1アブダビGP

「最初のスティントは本当に大変だった。希望を失ってはいなかったが、『ああ、思ったほどうまくいかない』という感じだった。でも諦めずに攻め続け『さあ、行けるぞ』と思った。ミディアムタイヤに交換したら、マシンが生き返った。でも、埋めるべき差が大きかったので、マシンから全てを出し切り、諦めないことに集中した」

「できるだけ上位でシーズンを終えたかったし、チームがこれまで僕に捧げてくれたように、僕も全てをチームに捧げたかった」

F1史上最も成功したパートナーシップの終わりを祝ってグリッド上でドーナツを行った後、ハミルトンはしばしの間メルセデスW15の横でひざまずいていた。そして、何を考えていたのかと聞かれると、ハミルトンはこう答えた。

「正直に言って思い出せない。もうぼんやりしている。でも、メルセデスのコックピットに座るのはこれが最後だという気持ちだったと思う。ただその瞬間を楽しもうとしていた」

「もちろん、僕はレースを走ったし、やるべきことがたくさんあった。でも、あの瞬間にしがみつくことができたのは、今やそれが歴史になったからだ。僕のレースはすべてメルセデスのエンジンを使ってきたし、僕らが成し遂げてきた成功がある。僕はただそこに座って、その全てについて考え、それがどれほど素晴らしい旅だったかをじっくり考えていた」

「彼らのことを恋しく思うだろう。どれだけ恋しくなるか言い表せない。ものすごく寂しくなるだろう。この12年間、毎日彼らと一緒に働いてきた。このチームにはたくさんの愛があり、それが消えることは決してないだろう」

ハミルトンは、これから2025年にシャルル・ルクレールのパートナーとしてフェラーリに移籍する準備を進め、メルセデスでは18歳のアンドレア・キミ・アントネッリが彼の後任となる予定である。