キミ・ライコネンは、349回目となる最後のF1グランプリを残念な形で終えた。しかし、2007年ワールドチャンピオンであるライコネンには、20年間の輝かしいF1キャリアと、それに伴う比類のない思い出が残された。
キミ・ライコネンの最後のF1レースは、ターン6のランオフに進入して障壁にぶつかり、アルファロメオのガレージにゆっくりと戻り、マシンから飛び降りたところで終わった。42歳のライコネンは、今シーズン限りでモータースポーツの頂点を去ることになったが、穏やかな口調と、計り知れない技術を持つ謎めいた性格のドライバーという記憶を我々に残してくれた。
レース後、彼はリタイヤの原因となった事故を次のように振り返った。
「残念ながらそういうこともある。ホイールナットに問題があって、その前の周回にちょっとした危ない場面があり、それからダメになった。まあ、そういうこともあるよ。最終結果は問題ではない。どういう終わり方をするのかは問題ない。もう終わったんだ。そう、終わりを楽しみにしている」
「すでに言ったが、満足している。F1以外の通常の生活を楽しみにしているんだ」
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「アイスマン」というニックネームを持つライコネンが口数の少ない男であることは、ライコネン専門家でなくてもよく知られており、アルファロメオの心のこもった見送りに対する彼の反応も、おそらく予想できただろう。
「そうだね、あれこれと祝福の言葉をもらった。(見送りは)あまり好きではないが、多くの素晴らしい人々が応援してくれるのを目にすることができてとても嬉しい。でも今は、これを生き抜いたことに満足しているし、普通のことができるのが嬉しい」
「もちろん、長い間に知り合った、大勢の素晴らしい人たちに合えなくなるのは寂しいだろう。20年はあっという間だった。よい思い出も、悪い思い出もたくさんある。いつまでも忘れないだろう」
F1からフォーミュラEに移籍するアントニオ・ジョビナッツィは、「ありがとうキミ」と描かれた彼の特製ヘルメットをライコネンにプレゼントした。
ライコネンのチームメイトで、やはりチームを去るアントニオ・ジョビナッツィも、ライコネンの10周後にリタイヤしたため、アルファロメオの両ドライバーは完走できなかった。チーム代表のフレデリック・ヴァスールは、ドライバーにとって理想的な最後のレースではなかったと認めた。
「2台リタイヤでレースを終えるのは残念なものだが、シーズン最終戦であればなおさらだ」
「ドライバーにはもっとよい最後のレースをしてもらい、好成績でシーズンを終えたかった。シーズンオフに向かうが、今年1年から得たポジティブな要素を、2022年の基礎にしなければならない」
アルファロメオは、来シーズン、ヴァルテリ・ボタスと周冠宇(ジョウ・グアンユー)を起用する。
-Source: The Official Formula 1 Website
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