マーク・ヒューズとイラストレーターのジョルジオ・ピオラが、サンパウロGPでのマックス・フェルスタッペンの見事な挽回につながったレッドブルRB21に加えられた変更について説明する。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):2025年F1サンパウロGP

サンパウロGPでは、予選とレース間のマックス・フェルスタッペンの挽回ぶりは目を見張るものだった。予選では16番手だったレッドブルRB21は、ピットレーンから3位まで駆け上がり、レースの最速マシンだった。

彼がピットレーンからスタートした理由は、チームが予選でのマシンの出来の悪さに絶望し、パルクフェルメからマシンを持ち出し、全く異なるセットアップを施したからだった。

マシンがパルクフェルメから持ち出され、仕様が変更されると、グリッド上の順位を失い、ピットレーンからスタートしなければならない。

これは、週末を通してフェルスタッペンのマシンで試された4回目のセットアップだった。最初のセットアップはFP1で使用され、スプリント予選とスプリントでも使用された。フェルスタッペンは予選4位に終わり、ランド・ノリス(マクラーレン)のポールタイムより0.337秒遅かったものの、スプリントでは大きく引き離されて4位でフィニッシュした。

3番目のセットアップはグランプリ予選で使用され(16位)、最終的にレース日に使用された。

金曜日のフリー走行中、フェルスタッペンは、ダウンフォースの低い細身のウイングを装着しながらも、周回の低速域でアンダーステアに悩まされていた。彼は「ミドルセクターでグリップがない」と無線で報告した。

「マシンを回転させられないが、同時にリアからのサポートもほとんどない」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):2025年F1サンパウロGP
フェルスタッペンは、サンパウロGPの金曜日と土曜日、マシンに苦戦しているとコメント。

スプリント予選では、ふたつのリアウイングのうち小さい方をそのまま使用したが、機械的に大幅な変更を加えた。チームメイトの角田裕毅は、グランプリ予選でのフェルスタッペンのセッティングを決定するためのデータ収集の一環として、より大きなリアウイングと、フェルスタッペンとは異なる機械的セットアップでスプリントに出走した。

角田はウイングによる改善は見られなかったと報告し、週末の残りはそのウイングをあきらめたが、フェルスタッペンは土曜午後の予選に向けて角田の機械的セッティングの一部を採用した。

フェルスタッペンの予選仕様は、スプリントで使用したものとは全く異なっていたが、ウイングはそのままだった。100kmのレースでフェルスタッペンが不満を漏らしていた乗り心地の硬さを軽減するため、サスペンションは柔らかくなっていた。

しかし、アンダーボディプランクに過度の摩耗が生じないように、車高を上げる必要が生じた。その結果、ダウンフォースが大幅に減少した。彼は「車高はよくなった」と述べた。

「しかし、グリップは悪くなった」

レッドブルでのキャリアで初めて、フェルスタッペンは(パワーユニットのペナルティ関連の理由ではなく)純粋なペースでQ1を突破できなかった。

2025年サンパウロGP予選:フェルスタッペン、インテルラゴスでQ1敗退。

フェルスタッペン、Q1でノックアウト、トラブルや事故以外の純粋なペースでは初めて。



チーム代表のローラン・メキースは「もちろん、誰もこんな結果は予想していなかった」と、レース後に語った。

「ここに来た時からずっとマシンに満足していなかった。フリー走行とスプリントでの苦戦は皆さんもご存知だろう。優勝争いはできなかったが、少なくとも上位争いに加われると感じていた」

「予選前にマシンをよりよい状態にするために、少しリスクを冒したと言っても過言ではない。しかし、明らかに逆の結果になってしまった。リスクを冒すと、そういう代償を払うこともある」

「つらいが、そこから学び改善できる。我々は長い間、大胆なアプローチをしてきたが、時には痛みを伴うこともある」

フェルスタッペンは「全然攻められなかった」と述べた。

「マシンはあちこちに動いて、かなり滑っていた。トラック上に留まるためにアンダードライブしなければならなかったが、予選では当然うまくいかない」

「週末を通して厳しかったが、マシンにあれだけ変更を加えた後では予想外のことだった。マシンは応答しなかった、グリップが全くなかった」

レッドブルRB21:レッドブルがパルクフェルメから持ち出された後、フェルスタッペンのマシンのツインエレメントのビームウィングはシングルエレメントに交換された
レッドブルRB21:レッドブルがパルクフェルメから持ち出された後、フェルスタッペンのマシンのツインエレメントのビームウィングはシングルエレメントに交換された。

パルクフェルメからマシンを出したことで、再びセットアップを試す機会が生まれた。そして今回は成功した。柔らかめのサスペンションを諦め、車高を再び下げることで空力学的グリップを取り戻すことができた。

しかし、それでもなおバランス調整の難しさという問題が残る可能性があった。バラストの配置を含む数々の機械的な変更に加え、リアビームウィングにも微調整が加えられた。

細いメインウィングはそのままに、ツインエレメントのビームウィングはシングルエレメントに変更された。ビームウィングはアンダーフロアから排出される気流と主メインウィング下面へ送られる気流を合流させ、両方の出力を高める。

しかし、低速域でアンダーステアの問題がある場合は、理想的には、低速域でのリアウイングのパワーを弱める必要がある。しかし、高速コーナーではリアウイングがもたらす安定性も必要だ。

シングルビームウィングは、高速時よりも低速時のリアのパワーを低減するが、高速時にはより速い気流によって失速傾向をよりうまく克服することができる。

レッドブルRB21:フェルスタッペンはサンパウロGPでメキシコ以前のフロアを使用し、角田はアップデートされたフロアを使った
レッドブルRB21:フェルスタッペンはサンパウロGPでメキシコ以前のフロアを使用し、角田はアップデートされたフロアを使った。

レースに向けてさらなる変更が加えられた。フェルスタッペンはメキシコ以前のフロアに戻した。メキシコではフロアがアップデートされ、前縁がわずかに下がり、フロア縁のウイングジオメトリが変更された。

サンパウロでは、週末を通して角田はアップデートされたフロアを使用していたが、フェルスタッペンはパルクフェルメ後の新しいセットアップで、古い(オースティン仕様の)フロアに戻した。チームは、新しいフロアがトラブルの原因となる可能性を排除し、レース後にふたつのフロアのデータを比較したいと考えていた。

何が決定的な変更だったのかは、チーム自身のデータでしか明らかにならないだろう。しかし、それが何であれ、効果はあった。レース優勝者のノリスは「マックスがもう少し上位で予選を通過していたら勝てていただろう」と述べた。

「今日は彼らの方が速かった」

サンパウロの週末で、ザントフォールト後のレッドブルが非常に速いことが確認されたが、セットアップの範囲が非常に狭いことはメキースも認めている。

メキーズは「我々の作動範囲が狭いのは周知の事実だ」と説明した。

「しかも、特定のトラックレイアウトや状況、コンディションでは、その範囲を見つけるのが難しい。週末ずっと、それを見つけるために戦ってきた」

マーク・ヒューズ | ジョルジオ・ピオラ(イラスト)
-Source: The Official Formula 1 Website

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