2026年F1参戦に向けて、キャデラックのドライバー候補リストには誰が名を連ねているのか?:F1ドライバー市場

F1のシートを獲得するチャンスは極めて少ないが、キャデラックがF1に参入することで来年はふたつの枠が追加されるため、2026年にシートを獲得できる可能性はわずかに高まっている。

予想通り、アメリカのチームにはドライバーやマネージャーから仕事の問い合わせ電話が殺到しており、チームは一時、15人の名前が挙がる長いリストを作成するに至った。

情報筋によると、そのリストはわずか数名にまで絞り込まれており、チームはドライバーの確定を急いではいないものの、欲しいドライバーを絞り込み始めているという。では、候補に挙がっているのは誰だろうか?

最有力候補はセルジオ・ペレス

キャデラックがゼロから新しいF1チームを立ち上げるという挑戦の規模と、できるだけ強くなりたいという野心を考えると、キャデラックのシートの少なくともひとつ、あるいは両方がF1経験のあるドライバーに与えられることは間違いないだろう。

だからこそ、彼らは285回のグランプリ週末を経験したセルジオ・ペレスに強い関心を寄せている。メキシコ出身のペレスは、6度のグランプリ優勝を経験し、勝つ術を心得ている。レッドブル在籍中の最高成績は、ドライバーズチャンピオンシップ2位だった。

セルジオ・ペレス、レッドブルでの最高の瞬間:F1公式動画
セルジオ・ペレス、レッドブルでの最高の瞬間:F1公式動画

ペレスはフィードバックと卓越したタイヤ管理で有名だが、中団チームのフォースインディア/レーシングポイントでのパフォーマンスは、番狂わせの力を発揮するパッケージを常に最大限に引き出す能力を際立たせていた。

ペレスは昨シーズン末にレッドブルと袂を分けた後、時間を取って自身の選択肢を家族と検討し、最終的に復帰したいという結論に至った。そこで彼と彼のマネジメント陣は市場調査を開始した。

情報筋によると、メキシコ出身のペレスはキャデラックやアルピーヌを含む複数のチームと来シーズンのレースシート復帰について交渉中とのことだ。ペレスはグリッド復帰を強く望んでおり、そのモチベーションはドライバーを必要としているチームにとって非常に魅力的となるだろう。

キャデラックは、ペレスがチームに安定をもたらしながらプロジェクトに真剣に取り組むことができる複数年契約も提供できる。

セルジオ・ペレスは6回のグランプリ優勝経験がある
セルジオ・ペレスは6回のグランプリ優勝経験がある。

キャデラックは、チームの急速な発展を目指す上でペレスの経験が不可欠となることを認識しており、ラテンアメリカ市場での彼の人気はキャデラックのブランドにとってプラスとなるだろう。さらに、億万長者のカルロス・スリム*をはじめとする多くの資金提供者も獲得できることも認識している。<* メキシコの実業家>

これらすべてが、彼をアメリカのチームのF1初進出にとって魅力的なドライバーにしている。

ヴァルテリ・ボタスも有力候補

キャデラックが求めているのは経験であり、ヴァルテリ・ボタスもF1グリッドに復帰する有力候補の筆頭である。

フィンランド人ドライバーは以前、まだ「F1の仕事はまだ終わっていない」と語っており、今週のビヨンド・ザ・グリッド・ポッドキャストでは、キャデラックのプロジェクトは「非常に興味深い」と語っていた。

ヴァルテリ・ボタスはザウバーで3年間を過ごし、それ以前はメルセデスで10回のグランプリ優勝を果たした
ヴァルテリ・ボタスはザウバーで3年間を過ごし、それ以前はメルセデスで10回のグランプリ優勝を果たした。

情報筋によると、ボタスと彼のマネジメント陣は来年のシートについてキャデラックと協議を行ったという。ボタスはボスのグレアム・ロードンのことをよく知っている。というのも、ザウバーでロードンが周冠羽のマネジメントチームに所属していた3年間、彼とモーターホームを共にしていたからだ

ボタスは247回のグランプリに出場し、10回のグランプリ優勝を含む67回表彰台に立ち、ポールポジションを20回獲得している。

彼はメルセデスで7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンと並んでレースをした際に圧倒的なペースを見せ、今年はシルバーアローのリザーブドライバーとして全力を尽くしている。

35歳のボタスは今シーズン、メルセデスから全戦を訪れ、エンジニアリングのブリーフィングにも参加し、2026年に向けたマシン開発に大きな役割を果たしている。

ヴァルテリ・ボタスはメルセデスの業務全体に関わっているので、キャデラックに膨大な知識を持ち込むだろう
ヴァルテリ・ボタスはメルセデスの業務全体に関わっているので、キャデラックに膨大な知識を持ち込むだろう。

ボタスのような経験を持つドライバーがいることは、急速な発展が求められる新規約に取り組むためにF1にゼロから参入するキャデラックにとって特に有益だろう。

ボタスはまたザウバー在籍中、キャデラックが開幕シーズンに使用するフェラーリのパワーユニットを使った3年間の経験も持っている。

キャデラックとの交渉に加え、ボタスと彼のチームは他のレースシートの選択肢も模索している。ペレスと同様に、経営陣が交代する前に今年のフィンランド人ドライバーのシート獲得を検討していたアルピーヌも、35歳のボタスの移籍先として有力視されている。

キャデラックは、ボタスを起用することで、スピードとマシン開発における豊富な経験を誇るドライバーを獲得できると理解している。彼は(ペレスほどではないが)個人スポンサーと、世界中にかなりのファンを持っている。


候補者リストに含まれる若手ドライバー

キャデラックが2026年にアメリカ人ドライバーを起用するという話は盛んに語られており、不可能ではないものの(キャデラックはアメリカ人の才能を活かすことに熱心である)、情報筋によると、来年そのシナリオが実現する可能性は低くなっているという。

経験が鍵となる。それは、マナーで競技ディレクターを務めていたチーム代表のグレアム・ロードンのようなトップであろうと、F1でアローズ、ベネトン、ルノー、ロータスと豊富な経験を持つ最高技術責任者のニック・チェスターであろうと、あるいは数多くのグランプリを経験しているドライバーであろうと、同じことだ。

だからこそ、キャデラックではペレスとボタスが真剣に検討されており、最有力候補となっているのだ。しかし、他にもまだ候補に残っている人が数人いるのもそのためだ。

順位は下がるが、そのリストには周、フェリペ・ドルゴビッチ、ミック・シューマッハも含まれると考えられている。

キャデラックのチーム代表グレアム・ロードンは長年にわたり周冠宇と仕事をしてきた
キャデラックのチーム代表グレアム・ロードンは長年にわたり周冠宇と仕事をしてきた。

ロードンはザウバーで3年間、周を指導してきた経験から周の才能を熟知しており、現在のフェラーリのリザーブドライバーのスピードと才能がF1チームにどのような影響を与えるかを知っているはずだ。

ブラジル出身の2022年F2チャンピオン、ドルゴビッチは、過去2年半アストンマーティンのドライバープログラムに参加しており、F1デビューを心待ちにしている。また、財政的支援も持ち込むだろう。

そして、2022年末にハースのシートを失った後、シューマッハはメルセデスのリザーブドライバーとして2年間を過ごし、今シーズンはアルピーヌでの世界耐久選手権キャンペーンに集中している。

彼は2026年にキャデラックファミリーに加わる道を見つけるために懸命にロビー活動を続けている。

ミック・シューマッハは、新しいチームでシートを獲得するために懸命に努力している
ミック・シューマッハは、新しいチームでシートを獲得するために懸命に努力している。

今後数週間で加速が予想される交渉

キャデラックはドライバーとの契約を急いではいないものの、夏の終わりまでに少なくともひとりのドライバーと契約を結ぶことがマシンの開発に役立つと認識している。

それを念頭に置くと、今後数週間でデビューラインナップが絞り込まれるにつれ、関係するドライバーやそれぞれのマネージメントとの話し合いが加速すると予想される。

ローレンス・バレット
-Source: The Official Formula 1 Website



2025年3月7日

2023年02月07日