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マイアミは、メルセデスにとって最も成功した週末ではなかったが、シルバーアローは、扱いにくいW13に一連の新パーツを持ち込んだ。マーク・ヒューズがこれらの新パーツとその効果を検討し、ジョルジオ・ピオラがテクニカルイラストレーションを提供する。

メルセデスにとっては混乱させられるマイアミの週末となったが、彼らはこれまで厄介だったメルセデスW13に、3部構成の空力学的アップデートを導入した。


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これらは、大きく報じられているマシンのポーポイズ現象(ポーポイジング)を解消するために設計されたものではなかった。むしろ、3つの変更のうちふたつは、低ダウンフォース用の特別パッケージであり、3つ目は、高ダウンフォースのトラックでも継続されると思われる一般的なアップグレードだった。

メルセデスW13の低ダウンフォース用に特別に設計された新しいリア・ウィング:2022年F1マイアミGP
メルセデスは、標準的ウィングを単に切り詰めたバージョンではなく、低ダウンフォース用に特別に設計された新しいリア・ウィングを持ち込んだ。これは、標準よりかなり小さい上部エレメントを特徴とする低ダウンフォースのビームウィングと連動している。

まず、パッケージの低ダウンフォース部分を見ると、新しいリア・ウィングとそれに伴うビーム・ウィングがある。上部ウィングには、かなり面積が小さくなった主翼(ウィングの下部)と、直線的な前縁が特徴的だ。これは、かなり小さい上部エレメント(要素)をもつビーム・ウィングと連動して設計されている。

ビーム・ウィングは、マシン下部からその上の主翼下側に気流を導き、ウィングをより強く働かせる。ウィングがダウンフォースを生み出すために強く働けば働くほど、ドラッグは大きくなる傾向にある。主翼の面積を小さくし、ビーム・ウィングの上部を小さくすることで、ダウンフォースの最大化よりもドラッグの低減が優先された。

メルセデスW13のマイアミ用リア・ウィング(左)とジェッダ用リア・ウィング(右)の形状比較
メルセデスW13のマイアミ用リア・ウィング(左)とジェッダ用リア・ウィング(右)の形状比較。

メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショヴリンは、さらに詳しく説明した。

「今年これまで、低ドラッグ・サーキットでは、既存のウィングを短くしただけだった。しかし、今回のものは、このレベルのダウンフォース用に特別に設計されたものだ。また、再製造する際に軽量化し、車重の軽減にも貢献した」

ほとんどの2022年マシンと同様、W13は最低重量を上回っており、ダイエットは継続中だ。

しかし、低ダウンフォース・パッケージよりもおそらくさらに興味深いのは、下縁にあるかなり過激なスロットを特徴とする、フロント・ウィングの新しいエンドプレートだろう。これは、ウィング・エレメントからの気流を側面から流し、タイヤ周囲にアウトウオッシュさせるものである。

上図はメルセデスW13のマイアミ用フロント・ウィング。円内のエンドプレート底部がカットアウトされている。下図はカットアウトのないイモラ用フロント・ウィング
上図はメルセデスW13のマイアミ用フロント・ウィング。円内のエンドプレート底部がカットアウトされている。下図はカットアウトのないイモラ用フロント・ウィング。

エンドプレートのリア底部の隅全体が、斜めに切り取られ、ウィング・エレメントの多くが見えるようになり、そのエレメントはより多くの空気を外側にそらすことができるようになった。ウィングの最上部エレメントの最も外側にある小さいカットアウトは、渦流発生装置のようで、そらされた気流に大きなエネルギーを与えるのに役立つ。

アウトウオッシュが強くなればなるほど、アンダーフロアやマシンのサイドポッドに向かう気流がきれいになる。規約によりバージボードが廃止された今、アウトウオッシュの力を増大させる別の方法を見つけることは、すべてのチームにとって大きな関心事である。メルセデスは、エンドプレート設計に関して、非常に独創的な新規約の解釈を見つけたようだ。

メルセデスW13:赤い矢印が示す部分は、気流をフロント・ホイールに導くので、アウトウオッシュを強力にする渦流発生装置と思われる
赤い矢印が示す部分は、気流をフロント・ホイールに導くので、アウトウオッシュを強力にする渦流発生装置と思われる。

-Source: The Official Formula 1 Website

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