F1レース解説:メルセデスの金曜日からのペースダウンの原因を探る - マイアミGP

マイアミGPでは、マックス・フェルスタッペンがシャルル・ルクレールを抑えて優勝した一方で、メルセデスは誰よりも不可解なパフォーマンスを発揮した。その不可解さは、メルセデスにも理解できないほどだった。このマイアミでのレース週末の出来事をマーク・ヒューズが解説する。

金曜日の練習走行ではジョージ・ラッセルがトップタイムをマークし、ロングランではルクレールのフェラーリに平均でコンマ数秒の差で3番手となった。空力学的なアップグレードを受けたマシンは、これまでシミュレーションでしか見られなかったスピードが、初めて現実のものになったかのようだった。



しかし、ルイス・ハミルトンは予選6番、ラッセルは12番に終わった。メルセデスの予選最速タイムは、ルクレールのポール・ポジションタイムから約0.8秒遅れだった。レースでは、終盤のセーフティカー出動前、ハミルトンはフェルスタッペンのレッドブルから46秒遅れの6番手だった。

土曜午前のFP3セッションでは、金曜日の化けの皮が剥がれる最初の兆候があった。ハミルトンとラッセルの最速タイムはそれぞれ15位と17位だった。マシンのポーポイズ現象(ポーポイジング)が猛烈に復活し、以前のシャシー・バランスは消え去った。金曜日に勇気づけられたチームは、ダウンフォースを最適化しようとして、FP3のためにマシンの車高を下げた。この変更の明らかに破滅的な影響により、チームは予選に向けてマシンを金曜日のセッティングに戻した。それでもポーポイズ現象とバランス不良は直らなかった。

ラッセルが金曜日に最速タイムを記録し、チームにとって心強いスタートとなった:2022年F1マイアミGP
ラッセルが金曜日に最速タイムを記録し、チームにとって心強いスタートとなった。

一方、金曜日から予選までの間に路面のグリップはかなり向上し、他のチームは1周あたり1秒短縮した。しかし、メルセデスはタイムを改善できなかった。チームは問題の症状は見えているが、根本的な原因は苛立たしいほどつかみどころがないことがわかった。



そのため、ハミルトンとラッセルの野望はレース当日に制約を受け、彼らは互いに競い合うだけに終わった(リスタート後にアルファロメオのヴァルテリ・ボタスが路面をスリップしたのにつけ込んだ)。

グリッド3列目からスタートしたハミルトンは、上位9位までのドライバー同様にミディアム・タイヤでのスタートを選択した。12番スタートのラッセルは、最初かなり遅いハード・タイヤでスタートした。ハード・タイヤは縦方向のグリップがほとんどなく、ラッセルは1周目が終わった時点で15位だった。ハミルトンはアロンソのアルピーヌと軽く接触して勢いを失い、スタート直後は8位に落ちたが、すぐにアロンソとピエール・ガスリーのアルファタウリを抜いて、元の順位に戻った。

ハミルトンはチームメイトのラッセルより上位で予選を終え、上位を狙える順位につけたかにみえた:2022年F1マイアミGP
ハミルトンはチームメイトのラッセルより上位で予選を終え、上位を狙える順位につけたかにみえた。

ハミルトンは57周中22周目にハード・タイヤに交換した。この時点で、まだピットインしていないラッセルのひとつうしろの順位(約7秒遅れ)だった。普通なら、同じコンパウンドのタイヤであれば、22周分新しいタイヤの方がかなり速いと思われる。しかし、彼はそうではなかった。

ハード・タイヤは、本格的に機能を発揮するまでに20周ほどかかった。ラッセルは最初の20周は比較的遅く、やっとまずまずのペースで走り始めていた。このトラックの新路面では、ハード・コンパウンドは、作動温度に達するまでに非常に長い時間がかかり、その後オーバーヒートした。トレッドが摩耗して温度が下がると、まともに機能するようになった。

そのため、ハミルトンもこのサイクルを経験しなければならず、彼は新しいタイヤにもかかわらず、最初はラッセルよりわずかに速いだけだった。

ラッセルは義務的なピットストップを行う必要があったが、背後からの脅威はなかったので、メルセデスはセーフティカーの恩恵を受けるために彼をできるだけ長く走らせることにした。 ガスリーとランド・ノリスの衝突のおかげで、彼はその恩恵を受けた。セーフティカーの直前、彼はハミルトンの3秒前を走っていたが、約21秒かかるピットストップをしなければならなかった。そのため、ラッセルはハミルトンより約18秒遅れでピットに向かい、残り周回数も少なかったため、ハミルトンよりも後ろフィニッシュすることが確実となった。

作戦がラッセルに有利に働き、ハミルトンよりも上位でフィニッシュした:2022年F1マイアミGP
作戦がラッセルに有利に働き、ハミルトンよりも上位でフィニッシュした。

セーフティカーが出動したことで、ラッセルは非常にタイムロスの少ないピットストップを行い、かなり速いミディアム・コンパウンドのタイヤでハミルトンの背後についた。ラッセルはこのような状況でチームメイトを抜くことができた。しかし、彼はハミルトンを抜くときにコースを外れたためにレース・コントロールから順位を戻すように指示を受け、その指示に従った。そしてDRSを使って再度追い抜いた、5位と6位のために。

金曜日の期待は大昔のことのようだった。

-Source: The Official Formula 1 Website


2022年F1マイアミGPコラムとチーム分析