2021年のアゼルバイジャンGPは、アストンマーチンのランス・ストロールとレース・リーダーのマックス・フェルスタッペンがそれぞれ高速クラッシュを喫したことで、レースの流れが大きく変わった(両ドライバーともに無事)。しかし、両ドライバーが左リアタイヤのブローアウトを起こしたように見えたため、ピレリのボスであるマリオ・イソラは、レース後にメディアに対し、バクーのトラック上にあった破片が原因だと考えていると語った。
レースの30周目、土曜日のQ1でクラッシュした場所を通過したストロールは、ピット入口付近でブローアウトを起こし、激しくスピンして壁にぶつかったため、セーフティーカーが出動した。
その後レースがリスタートし、フェルスタッペンは、残り5周の時点で首位を走っていたが、メインストレートでタイヤのブローアウトに見舞われ、左リアタイヤが外れたように見え、壁に激突した。
しかし、ピレリのF1およびカーレーシング部門の責任者であるマリオ・イソラは、どちらの事故もタイヤの摩耗が問題であったとは考えていないとメディアに語った。
「故障の原因がタイヤの摩耗であることは除外できると思う。なぜならタイヤの摩耗の問題ではないからだ...。 バクーで最も負荷がかかるのは、左リア・タイヤではなく、明らかに右リアだ」
「予備的な結論を出したくない。でも、破片による切れ目があるように見える。すでに言ったように、一番負荷がかかるタイヤではない… 同じタイヤで同じ周回数を走って何の問題もなかったマシンもある。だから予備的な調査の結果は、おそらく外的要因、つまり破片や縁石などが原因だ」
「もうひとつの要因は、チームによると、何の兆候あるいは警告がなかったことだ。我々はチームからテレメトリを受け取っているが、タイヤに何か問題があることを示すような警告も振動もなかったことがわかっている」
マリオ・イソラは、フェルスタッペンのクラッシュは、2018年アゼルバイジャンGPで首位を走行していたボタスが破片の上を走ってタイヤが故障したインシデントのように、おそらくストロールのクラッシュによる破片の上を走ったことが原因だろうと示唆した。
「マックスの場合、ランスのマシンの破片だった可能性がある。ランスに関しては、彼のクラッシュ前にインシデントがなかったので、正直なところ原因はわからない。トラック上にあった何かの一部だった可能性を除外できない」
「2018年のことを覚えているだろうか。ボタスはメインストレートで大きな破片を拾い、タイヤが急に収縮するという同じ問題に見舞われた。この場合、映像からはっきり見えた。タイヤを切り裂いた破片をはっきり見ることができた。今回の場合は、もう少し複雑だ」
「もちろん、我々の調査のもうひとつの要素は画像であり、何が起きたか理解するために利用できるようなカメラの画像、ビデオの映像があれば、それを活用する」
2021年06月07日
【動画】F1アゼルバイジャンGP 決勝ハイライト
ハミルトンのタイヤに切れ目を発見
またピレリは、フェルスタッペンのクラッシュによって出された赤旗により、ルイス・ハミルトンがピットに戻った時に、彼のハード・タイヤに切れ目を発見したと発表した。
「ルイス・ハミルトンが(フェルスタッペンと)同じスティントで使用していた左リア・タイヤの内側ショルダー部分に切れ目を見つけた。この切れ目はかなり深くて大きかった。おそらく6~7cmあったが、構造は切断されていなかった。だからタイヤは無事だった。切れ目だけだった。赤旗が出てルイスがピットレーンに戻り、タイヤを交換したので、タイヤの切れ目を見つけることができた」
ピレリは、タイヤをミラノの研究所に空輸し、徹底的な調査を行う予定である。マリオ・イソラは、2週間後のフランスGPに間に合うよう、チームのために報告書を作成すると述べた。
-Source: The Official Formula 1 Website
2021年06月06日
F1アゼルバイジャンGP決勝レース