マックス・フェルスタッペン、優勝!:2022年F1スペインGP

スカイスポーツF1のマーティン・ブランドルが、インシデントや素晴らしい走りに満ちたスペインGPを振り返り、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセル、そしてリタイヤする前のシャルル・ルクレールを称賛する。ブランドルはマックス・フェルスタッペンの怒りの優勝とセルジオ・ペレスに関するレッドブルの作戦論争についても意見を述べる。

私の知る限り、私たちはF1レーシングの素晴らしい波に乗ってサーフィンをしている。いつもは安定しているスペインGPでさえ、シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、ジョージ・ラッセルの4人が首位を走り、かなりのホイール・トゥ・ホイールや危険な状況もあり、十分に楽しませてくれた。

ルイス・ハミルトン(メルセデス):2022年F1スペインGP

また、元気を取り戻したメルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルをはじめ、いくつか素晴らしい走りも見ることができた。

ハミルトンは、オープニングラップでのケビン・マグヌッセンとの接触のせいで、華々しい結果を出すチャンスを失った。2周目、彼は先頭から50秒遅れだった。そして最終周回で4秒減速したにもかからず、フィニッシュ時の首位との差は54秒だった。

パンクで最後尾に後退したハミルトンは、無線で「リタイヤしてパワーユニットの走行距離を節約したい」とコメントしたが、これは彼が今シーズンいかに楽しんでいないかということを如実に示している点で、憂慮すべきものだった。しかし65周後には、素晴らしいペースを見せ、多少なりとも満足感を得ることになる。

ファンはいつものように抜かりなく、彼をドライバー・オブ・ザ・デイに選んだ。

ルイス・ハミルトン、ドライバー・オブ・ザ・デイ:2022年F1スペインGP

シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル):2022年F1スペインGP

このレースで最もふさわしい勝者はもちろん速いフェラーリに乗ったルクレールだった。予選のQ3序盤でのスピンのあと、大きなプレッシャーのなか見事な予選ラップを見せ、ポール・ポジションからのスタートとなったルクレールは、見事なスタートを切り、フェルスタッペンやチームメイトのカルロス・サインツのように(突風により)グラベルの上を走ることなく、どんなタイヤ作戦でも可能なほどの余裕を持って、優勝に向かって落ち着いた走りをしていた。しかし、彼のパワーユニットが故障してしまった。

シャルル・ルクレールはこの16戦で初めてのリタイヤとなり、3戦前は2位に46ポイント差をつけてチャンピオンシップ首位に立っていたが、その座を失った。彼にとっては忘れたいレースになった。一方、フェルスタッペンは今年、完走したレースではすべて優勝している。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)優勝!:2022年F1スペインGP

マックス・フェルスタッペンは、偉大なファンジオに並ぶ24回目のこの優勝は、最高の勝ち方とは言えなかった。DRSリアウィング・フラップの故障や、突風にあおられてターン4でコースアウトしてグラベルを走り、さらにはチームメイトのセルジオ・ペレスに2度も順位を譲ってもらったからだ。

DRSが機能せず、いつものように印象的なメルセデスのラッセルを追い越せずにいたとき、マックスは無線で明らかにチームに対して怒っていた。これはふたつのことを物語っている。ひとつは、新マシンの改良に時間がかかり、重量制限もあるため、一連の信頼性問題にうんざりしていること。

レース前
フェルスタッペンのマシンは、先ほどまでDRSシステムの修理をしていた。
レッドブルのガレージ:2022年F1スペインGP レース前
DRS修理について、クリスチャン・ホーナーは「軽量化しているので、バランスが難しい。昨日(DRSに)問題があったので、FIAと相談しながら、予防措置をとっている」
16周目
フェルスタッペン、3位ラッセルの後ろに
ジョージ・ラッセル、マックス・フェルスタッペン:2022年F1スペインGP
フェルスタッペンのDRSは開いたり開かなかったりのようだ。
20周目
レッドブル「DRSは機能している」
フェルスタッペン「機能してないだろう!」「DRSをまともに動かせないなんて、信じられない」
22周目
レッドブルがフェルスタッペンにDRSを機能させる新たなボタンの押し方を教えている。
23周目
レッドブル「マックス、縁石を越えたあとにDRSボタンを押せ」
24周目
フェルスタッペン、ラッセルと並んだが、ラッセルが抑えて順位を維持。
ジョージ・ラッセル、マックス・フェルスタッペン:2022年F1スペインGP
もうひとつは、昨年のサウジアラビアでハミルトンに対してブレーキ・テストをしたように、彼がまだ頭に血が上りやすいことである。それを除けば、レース優勝や初のワールドチャンピオンシップを目指す中で、それをうまくコントロールすることを学んだ。

ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンのバトル:2022年F1スペインGP

ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンのバトル:2022年F1スペインGP

ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンのバトル:2022年F1スペインGP

ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンのバトル:2022年F1スペインGP

ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンのバトル:2022年F1スペインGP

マックス・フェルスタッペンが初めてジョージ・ラッセルとホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げたが、それを見るのはとても魅力的だった。日曜の夕方、レース・スチュワードに会ったが、彼らもラッセルは限界に挑戦していたが、ルールを破ってはいなかったという意見だった。短いターン1と2の間でフェルスタッペンを抜き返したことは、しばらく語り継がれるだろう。

フェルスタッペンは、今回の長時間のバトルでは、昨年のハミルトン相手のバトルよりも非常にクリーンでフェアで、チャンピオンにふさわしかった。しかしもちろん、チャンピオンシップはまだ決まっていない。

マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス(レッドブル):2022年F1スペインGP

レッドブルのペレスは37周目にピットインし、新しいミディアム・タイヤに交換した。フェルスタッペンは、レース距離の10%近くに相当する6周後に同じことをした。これが「違うレース作戦」かどうかは私にはわからないが、ペレスは、フェルスタッペンを勝たせるために、順位を譲るよう指示された。

セルジオ・ペレスは、譲るがフェアじゃないと言ったが、それはもっともなことだった。今回は全22戦のうちの第6戦目だった。チームとしては、ふたりともラッセルを抜き、セーフティカーによる妨害がないことを前提に、1-2フィニッシュを狙うつもりだった。ペレスが首位を走っていたのは、彼が速く、コースアウトしなかったからであり、その段階ではマシンを守り、ペレス優勝のために順位を維持するのが普通だと考えられる。

チームにとっても、いずれのドライバーにとっても、よい展開ではないが、私がレッドブルのピットウォールに座っていたら、同じことをして非難を浴びていただろう。フェラーリのルクレールのスピードは印象的で、シーズンを通して彼ともっとも安定して戦えるのはフェルスタッペンだろう。昨年のチャンピオンシップでも、1位と2位との間の7ポイント差が重要だった。

新タイヤを装着したときのフェルスタッペンのペースも驚異的だった。もちろん私はレッドブルのふたりの契約書を読んではいないが、両者の契約書に順位の入れ替えが書かれていたとしても驚かない。しかしフェルスタッペンはペレスにひとつ借りができた。

興味深いことに、ぺレスとチャンピオンシップ首位との差はわずか1勝分に等しい。この点に関しては、メルセデスのマシンのスイッチを本当に入れることができれば、ラッセルも首位からそれほど遠くはない。



カルロス・サインツJr.(フェラーリ)2022年F1スペインGP

バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)2022年F1スペインGP

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ):2022年F1スペインGP

ランド・ノリス(マクラーレン):2022年F1スペインGP

カルロス・サインツJr.は、印象的だったが終盤オーバーヒートしたハミルトンを抜いて4位になった。アルファロメオのヴァルテリ・ボタスは今回も非常に印象的で6位になったが、レース中盤すぎの2回目かつ最後のタイヤ交換は、間違った判断だった。

アルピーヌは、エステバン・オコンが何度もオーバーテイクして7位になり、グリッド最下位スタートのフェルナンド・アロンソは追い上げて9位2ポイントを獲得するなど、レースでは強そうに見えた。

このふたりの間の8位はマクラーレンのランド・ノリスだった。彼は扁桃炎で非常に体調が悪く、それを理由にレース後のメディア対応を欠席せざるを得ないほどだったことを考えると、非常によい走りをした。マクラーレンもダニエル・リチャルドも、現時点ではレース中にどんなタイヤを使おうとも比較的ペースがないことをとても懸念していることだろう。何かを変えなければならない。

スチュワードはトラックリミットや、これまでは変りやすい基準点だった赤と白の縁石ではなく、ドライバーが白線内に四輪すべてを留めることに、非常に厳しかった。これは、チーム、ドライバー、そしてファンにとって一貫性と明瞭性の点で称賛に値する。

正確さと実際のレーストラックに忠実であることは報われなければならないが、車載カメラでは白線内に留まっているように見えることが多いので、トラックリミットを確認できる映像によって、それを実施したいものだ。

次はモナコだ。昨年は、トラックはマシンにとってやや手狭だったように見えたが、2022年マシンがどうなるか、様子を見よう。今年のマシンは小さくなったわけではない。実際重くなっているが、バルセロナで証明されたように、高速でも接近して走行できるように見える。



-Source: Sky Sports


2022年F1スペインGPコラムとチーム分析