ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペン:2021年F1メキシコGP

レッドブルが予選の不運を埋め合わせ、マックス・フェルスタッペンはメキシコシティで初のワールドタイトルに向けてまた一歩前進した。しかし、スカイF1のマーティン・ブランドルは、最新のレース後コラムで、ルイス・ハミルトンとメルセデスを無視するには、まだあまりに接戦だと述べている。

マックス・フェルスタッペンは、71周のレースをほぼ不安なくこなして、今シーズン9勝目を挙げ、残り4戦の時点でチャンピオンシップのリードを19ポイントに拡大した。

しかし、フェルスタッペンはハミルトンと同様、2位1回と最速ラップ・ポイントに相当するアドバンテージしかないことを考えると、事態がどれだけ素早く逆転するかをよく知っている。

例えば、7月のシルバーストンのレース日の朝、彼は33ポイントをリードしていた。彼がその日クラッシュしたおかげで、シーズンが一変した。フェルスタッペンは、初のワールド・タイトルに手を伸ばすよりも、手をしっかりポケットに入れておくだけの分別がある。

ブラジル以降、まだ107ポイントが獲得可能なのだ。ブラジルでは、今シーズン3回目、そして最後となる土曜日の「スプリント」レースが行われ、2台が接近して最初のコーナーに向かうという二重の危険もある。



凹凸のあるトラック・レイアウトと、765mの標高を考えると、サンパウロではおそらくレッドブルの方が有利だろう。そのあとは、F1カレンダーにとって全く新しく未知のトラックであるカタールとサウジアラビアが続く。そして、おそらくチャンピオンシップ決定戦となる可能性の高いアブダビは、以前よりも1周あたり10秒以上速く、流れるようなトラック・レイアウトに変更されている。

メキシコの話題と、最初はレッドブルを驚かせたメルセデス

レッドブルが、アゼルバイジャンやハンガリーなどのレースで特に不運だったとすれば、メキシコの予選における不調も、まさに不運と言えるだろう。メルセデスを含むパドック全体が、レッドブルがポール・ポジションを獲得するとほぼ確信していた。問題は、2台ともフロント・ローに並ぶかどうかだった。

メルセデスが、ある時点で0.6秒差もあるように見えた差を縮めるために頑張っている間、レッドブルは、リア・ウィングを樹脂とテープでつなぎ合わせる作業に追われていた。トラック温度が上がるにつれ、メルセデスは落ち着き、レッドブルは横滑りを始めた。メルセデスは、見事にタイヤ温度のくじ引きに勝った。

重要な予選の最終アタックで、フェルスタッペンはポール・ポジションを獲得するほど速くなかった。しかも、グリッド降格ペナルティを受ける予定のアルファタウリの角田裕毅は、チームメイトのピエール・ガスリーに対し、長いピット・ストレートでスリップストリームを与えるためだけにトラックに出ていたが、ガスリーを助けた後、ピットに戻るのではなく、他のドライバーの邪魔にならない最善のルートは高速ターン10/11にある汚れたランオフ・エリアに入ることだと判断したのだった。

順調なペースで走っていたレッドブルのセルジオ・ペレスは、角田を真似たようにコースアウトしたため、フェルスタッペンは2倍の埃を食らい、イエロー・フラッグを含め、埃の向こう側のことがわからなかった。彼は3位に甘んじたが、すぐに2位よりもよいと述べていた。まさに彼の言う通りだった。

ヴァルテリ・ボタス、サー・ジャッキー・スチュワートから、ファン・マヌエル・ファンジオ のヘルメットを模したポール・ポジション・トロフィを授与された:2021年F1メキシコGP予選

イスタンブールでおそらく人生最高のレースをしたあと、ヴァルテリ・ボタスは人生最高の予選アタックをしてポール・ポジションを獲得した。ただし、メルセデスにとっては理想的ではなかった。ボタスは、サー・ジャッキー・スチュワートから、ファン・マヌエル・ファンジオ のヘルメットを模したポール・ポジション・トロフィを授与された。ジェンソン・バトンとわたしは、その様子を羨ましく見守っていた。




2021年F1メキシコGPスタート

ハミルトンとボタス、フェルスタッペンにドアを開けっぱなしにする

そのトロフィはボタスが受けとったなかでほぼ最高のものだった。他のニュースとしては、ランド・ノリス、ランス・ストロール、エステバン・オコン、ジョージ・ラッセル、そして先ほどの角田裕毅も、テクニカル・ペナルティを受けたので、グリッドがある程度マッシュアップされていた。



しかし、注目を集めたのは先頭の2列だった。そしてハミルトンにとって不運なことに、グリッドのダーティ・サイドから、あまりにも上手にスタートしたため、チームメイトの後ろにつくことができなかった。フェルスタッペンは、先行マシンの後ろをしばらく走ることができたので、左に寄って3台が並んだ。ボタスはレッドブルにスリップストリームを与えたくなかったので、直線的に走った。

そのおかげで、フェルスタッペンがブレーキを遅らせ、メルセデス2台のアウトサイドを回るためのスペース、角度、よりクリーンなレーシング・ラインが完璧に残された。ボタスのトラック位置のため、ハミルトンは事実上、ダーティな内側の非常にタイトなラインしか残されていなかった。

ダニエル・リチャルド、ヴァルテリ・ボタスに追突してボタスはスピン:2021年F1メキシコGPスタート

ダニエル・リチャルド、ヴァルテリ・ボタスに追突してボタスはスピン:2021年F1メキシコGPスタート
ダニエル・リチャルド、ヴァルテリ・ボタスに追突してボタスはスピン、2台はすぐにピットイン

エステバン・オコン、ミック・シューマッハと角田裕毅に追突して2台をリタイヤさせる:2021年F1メキシコGPスタート

エステバン・オコン、ミック・シューマッハと角田裕毅に追突して2台をリタイヤさせる:2021年F1メキシコGPスタート

エステバン・オコン、ミック・シューマッハと角田裕毅に追突して2台をリタイヤさせる:2021年F1メキシコGPスタート
エステバン・オコン、ミック・シューマッハと角田裕毅に接触して2台をリタイヤさせる

その後ボタスは、ハミルトンを先に行かせるために慎重にブレーキをかけたので、ダニエル・リチャルドのマクラーレンに追突されてしまった。リチャルドは、ブレーキング・ゾーンと最初のアペックスに高速で到達し、ロックアップしたのだ。

リチャルドは幸運だった。ボタスとの接触についてスチュワードが寛大だったからだ。しかし、新しいフロント・ウィングとタイヤに交換するためのピットインしたリチャルド、タイヤを交換したボタスは、最後尾になってしまった。ただし、ふたりのピットストップは、そのすぐ後の混乱で、ミック・シューマッハと角田がオコンと接触したあと、残骸を撤去するためにセーフティカーが出動している間に行われた。

リチャルドとボタスは、その午後の残りかなりの周回で、何の見返りもないまま互いにホイール・トゥ・ホイールのレースをすることになるが、それもメルセデスはフェルスタッペンから最速ラップタイム・ポイントを奪うために、ボタスをピットインさせるまでの話だった。マクラーレンは、ダメージのために1周あたり1秒以上ロスしていたし、メルセデスもエアロを失っていたように思う。

ボタスとメルセデスは、最速ラップを出すのに2回トライしなくてはならなかったが、これは1回目にフェルスタッペンがうまく妨害したからだった。さらにタイヤを交換し、クリアなトラックに出たボタスは最速ラップタイムを記録したが、トップ10圏内でフィニッシュしなかったので、1ポイントは獲得できない。コンストラクターズ・チャンピオンシップにおけるメルセデスとレッドブルの差は、まさにこの1ポイントなのだ。ゲームは始まっている。



マックス・フェルスタッペン、優勝:2021年F1メキシコGP

マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ぺレス、レース後にメキシコ国旗と:2021年F1メキシコGP

フェルスタッペンの圧勝、ブラジルでボーナスが待ち受ける?

フェルスタッペンがハミルトンをリードし、ペレスが熱狂的で大喜びの地元ファンの前で3位になり、姉妹チームであるアルファタウリのガスリーがレース中守ってきた4位でフィニッシュしたのは、レッドブルにとって夢のような組み合わせだった。

スタート後はフェルスタッペンがレースを管理・支配し、時おりタイヤの状態やライバルたちの相対的なパフォーマンスを気にしながらレースを進めていった。中盤でのバトルや、終盤に新しいタイヤのペレスがハミルトンに追いついて大観衆を沸かせたこと以外、あまり大きな出来事はなかった。リタイヤしたのはターン1でオコンに飛ばされた2台だけだった。

フェラーリは5位と6位という着実なレースをこなし、コンストラクターズ・チャンピオンシップ3位争いでマクラーレンとの差を13.5ポイントとした。アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルが7位、アルファロメオのキミ・ライコネンが8位、このサーキットで苦戦していたアルピーヌのフェルナンド・アロンソが9位となり、元ワールドチャンピオンたちがよい戦いをした。

ランド・ノリスは、グリッド後方から追い上げ、マクラーレンのために「1」チャンピオンシップポイントを獲得した。状況が違えば、スパ、モンツァ、ソチで優勝できたかもしれないのに、それ以降は、ノリスにとって苛立たしいことに7位、8位、10位と低迷している。少なくとも、今後のレースでは新しいエンジンを搭載するので、立ち直るのは間違いない。

ホンダは、1965年にリッチー・ギンサーを擁してこのサーキットで初めてF1に勝利し、今年はトップ4のマシンのうち3台にホンダのエンジンが搭載されていた。フェルスタッペンは、今シーズン、メキシコ、オーストリアの2戦、スパなど高地にあるサーキットですべて勝利しており、ブラジルでも強いと予想されている。

だが、インテルラゴスは、本当に荒れた天気とレースになることがある。

-Source: Sky Sports


2021年F1メキシコGP コラムとチーム分析