ランド・ノリス、ザク・ブラウン、ダニエル・リチャルド(マクラーレン)、表彰台で歓喜:2021年F1イタリアGP

スカイF1のマーティン・ブランドルは、最新のコラムのなかで、マクラーレンのダニエル・リチャルドが優勝したイタリアGPを専門家の目で振り返る。

F1ファンとして、そしてマクラーレンの元ドライバーとして、日曜日のモンツァでのマクラーレンの優勝を本当に嬉しく思う。

2012年ブラジル優勝から170回のグランプリで、彼らは地獄を見てきたが、リストラと再編により、その膨大なリソースと才能を正しい方向に向けることができた。

ダニエル・リチャルドは、見事にコントロールされたスタイルで、8回目のF1優勝のチャンスをつかんだ。グリッドの「ダーティサイド」から完璧なスタートを切ったリチャルドは、フロント・ロウから全ての周回を先導し、セーフティカー後のリスタートを決め、最終周回では最速ラップタイムを記録して、土曜日のスプリントレースを含め、今回のイベントで獲得できる最大29ポイントのうち27ポイントを獲得した。

ダニエルは「時来たりて、その者現わる<Cometh the hour, cometh the man>」とは言わないだろうが、彼はステップアップした。シャンパンで満たされた汗まみれの耐火ブーツを持って表彰台に立つ彼は、いつも人気者だ。ランド・ノリスの傑出したパフォーマンスに押されて、彼は自分を見直す今シーズンを過ごしてきたが、いつものように、不調は一時的なものであり、才能は不変なのだ。

表彰台でシューイをするダニエル・リチャルド、今回の笑顔の犠牲者は、同じチームのランド・ノリスとザク・ブラウン:2021年F1イタリアGP
表彰台でシューイをするダニエル・リチャルド、今回の笑顔の犠牲者は、同じチームのランド・ノリスとザク・ブラウン。


ランド・ノリスには同情する。今回は彼の初優勝レースだったのかもしれない。予選では千分の数秒差でリチャルドに勝ったが、スプリントのスタートがあまりうまくいかず、チームメイトの後ろになってしまった。ランドは、ダニエルよりも速く走れるとレース中に何度か言っていたが、チームはオージーが全体像と長いゲームを把握していると正しく判断し、ふたりのドライバーに順位を維持させた。

ノリスの若々しく、聖歌隊の少年のようなルックスとふるまいの下には、非常に勇敢なレーサーが隠れている。クルヴァ・グランデでシャルル・ルクレールのフェラーリを抜いたとき、マシンの一部が芝の上を走っていた時もあったが、全くの恐れ知らずだった。レースができず、予選結果で順位が決まった、前回のスパでも、水びたしのオー・ルージュからラディオンでクラッシュしなければ、力強い予選、そして素晴らしい結果になっていたかもしれない。ランド本人が言うように、彼はその時が来るだろうし、今の彼はF1で最も注目されるドライバーのひとりである。


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