アゼルバイジャンGPは、赤旗後の最後の2周で息を吹き返し、タイトル争いをしていたルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンが無得点に終わり、セルジオ・ペレスがレッドブルで初優勝を果たした。F1マネージング・ディレクター、モータースポーツ担当のロス・ブラウンが、重要な話題を取り上げる…
私が選ぶドライバー・オブ・ザ・デイはセバスチャン・ベッテル
このレースは、ほとんど興奮がなく盛り上がるのに時間がかかった。わかりきった結果になりそうに見えたが、F1で唯一言えることは、わかりきった結果などないのだ。終盤は劇的だった。
マックスは非常に素晴らしい仕事をした。彼の仕事で責めるべきことは何もない。結局のところ不運だったのだ。セルジオもセンセーショナルだったし、セブも第2の人生を歩んでいる。僅差ではあるが、私的にはドライバー・オブ・ザ・デイはセブだった。
彼は生まれ変わった。リフレッシュした。彼には違った雰囲気が漂っている。これは、心理的な側面がいかにパフォーマンスに影響を与えるかを示している。セブは、適切な種類のプレッシャーと、一緒に仕事をすることを学んでいるエンジニアたちの下で、居心地のよい場所に身を置いている。彼は結果を出しているし、その資格がある。ブラボー。
移籍後初表彰台のセバスチャン・ベッテルとセルジオ・ぺレス
マックス・フェルスタッペンにとってつらい結果
わたしは、エンジニアとして、ピットウォールからレースを進めた経験から、そしてドライバーの観点から、できる限りのことをしたのにマシンが故障したり、別の問題に苦しんだりすると、苛立たしくはあるが、自分の力ではどうにもならないことだとわかってるので、つらさが和らぐ。
苛立たしいのは、自分がミスをしたときだ。それは本当に腹立たしいことだ。わたしの場合でも、信頼性の問題が起きれば、胃を殴られたような気分になるだろう。何か奇妙なことが起きたのなら、それを受け入れることができる。
マックスは非常によいレースをしたので、優勝しても当然だった。そして最後にルイスがミスをしたので、マックスのチャンピオンへの期待はそこまでひどく損なわれなかった。だからこそ彼は、最初は興奮してイライラしていたが、後になって非常に現実的になったのかもしれない。
マックス・フェルスタッペン、クラッシュ、そして怒りでタイヤを蹴り上げ、落胆しながらチームガレージに向かう。
バクーではルイス・ハミルトンの性格が試された
今週末は、ルイスの性格が試された。全体的に彼はそれを非常にうまく乗り切れた 。金曜日にはかなりペースが遅かったマシンを、土曜日には一歩前進させて上位にもってきた。最速のマシンではなかったが、彼はそのマシンで何かできるとわかっていた。
彼はかなりよい仕事をしていたが、リスタートで何が起こったのか、わたしにはわからない。彼は、スイッチの問題だと言っていた。リアブレーキが非常に熱くなっていたのは明らかだった。
彼はコーナーを曲がれそうにもなかった。しかし、マックスの事故のあと、チャンピオンシップはまだ予測がつかないままである。メルセデスとルイスは不満だろうが、マックスの不運を考えれば、ある意味バランスが取れている。
A massive moment from a mad race 😵
— Formula 1 (@F1) June 6, 2021
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2021年06月07日
ルイス・ハミルトン:F1アゼルバイジャンGP決勝コメント
まだ燃え盛るチャンピオンシップ争い
メルセデスがこれほどまでにマシンの調子を崩してレースに臨むのは異例のことだった。モナコでの苦労を受けて違う方針をとることにしたため、金曜日にあれほど調子を崩したのかもしれない。
もし、わたしがモナコでのようにタイヤ温度に悩まされていたら、別の方向性を試すために攻めただろう。だから金曜日の彼らの苦労は、その結果だったのかもしれない
彼らがより自信を持ち、既知のプラットフォームで行われるレースに戻れば、メルセデスがベストの状態に戻る可能性はある。彼らはいつも、市街地サーキットでは少し苦労している。決して得意ではないのだ。
レッドブルは、昨年とはまったく逆に、今年は熱いスタートを切った。昨年、彼らが本領を発揮し始めたのは、シーズン後半になってからだった。
だから、このスタートは期待の持てる兆候だ。彼らがこの勢いを維持し、メルセデスに戦いを挑み続けることができれば、我々はかなりのバトルを目にすることができるだろう。
2021年06月07日
F1ポイントランキング 第6戦アゼルバイジャンGP
レッドブルの信頼に応えたセルジオ・ペレス
ペレスは完全に優勝する資格があった。わたしはずっとチェコのファンだった。彼は多大な期待を寄せられ、キャリアのスタートで苦労した。マクラーレンではうまく行かなかったが、そこから立ち直ってフォース・インディア / レーシング・ポイントで素晴らしい仕事をした。
レッドブルに慣れるのにやや苦労していたことにわたしは少し驚いたが、そうは言っても、彼はレッドブルチームになじんでいる地球上で最も速いドライバーのひとりとペアを組んでいるのだ。
彼にはスピードを上げるための時間が必要だったが、それは簡単ではなかった。フリー走行時間が短くなる中、新しい理念の新マシンと新しいチーム、新しい文化の中で、最強のライバルと戦っている。
ヴァルテリとチェコは、それぞれルイスとマックスという強力なチームメイトのせいで、 モーターレーシング界で最も厳しい仕事をしている。隠れる場所はないし、チームメイトはあまり休まない。チェコは深く掘り下げ、ひたすらに努力を重ね、レッドブルの信頼に応え始めている。
ランス・ストロール、クラッシュ
ピレリ、タイヤのブローアウトの調査を開始
最初はランス、そしてマックスだった。幸い、ふたりとも大きな事故に見舞われながらも無傷ですんだことはよかった。ピレリは今回の事故について深く調査する予定だ。
市街地サーキットでは、破片が問題になることが多い。
我々は冷静でなければならない。ピレリは冬の間、タイヤのマージンを増やすために多くの作業を行い、FIAは空力的ダウンフォースを減らすための変更を加えて、さらにマージンを増やした。辛抱強く、分析結果を待とう。
2021年06月07日
ピレリ、破片がストロールとフェルスタッペンのクラッシュの原因である可能性が高い:F1アゼルバイジャンGP
赤旗中断後のリスタートとフィニッシュ・シーン、周回数2周のレース。
2周のレースはスプリント予選のよい前兆
多くのコメンテーターが、アゼルバイジャンGPの最後の2周で見られたようなアクションがあと10周必要だと言っているのを聞いて、わたしは勇気づけられた。というのも、スプリント予選のよい予告になったからだ。
スプリント予選は17~20周と少し長くなるが、ドライバーがタイヤを温存する必要がないので、同じようなスリリングなレーシングが展開されることだろう。
-Source: The Official Formula 1 Website
F1アゼルバイジャンGP
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