マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)2021年F1

"RacingNews365.com" は、来年からのレッドブル・パワートレインの仕組みについて、レッドブルのヘルムート・マルコとホンダの山本雅史に独占インタビューを行った。

ヘルムート・マルコは、ホンダが今年末にF1から撤退した後、レッドブルのパワートレインが2022年にどのように機能するかを明らかにした。

レッドブルは、F1がパワーユニット開発の3年間凍結を導入する2022年1月から、ホンダのパワーユニットの運用を引き受けることになった。マルコは "RacingNews365.com" に、レッドブルの新たな章について語ってくれた。

ヘルムート・マルコ

「ホンダがF1から撤退するので、我々はエンジンサプライヤーにならざるを得なくなった」

「自分たちでエンジンを作ってみたいとすぐに納得した。我々にとって、パッケージはとても重要だ」

「メーカーからパワーユニットを購入すると、エンジンを中心にマシンを作らなければならないので、パッケージで妥協する可能性があり、それが影響しかねない」

「エンジン部門が社内にあれば、最低限の妥協で最適な全パッケージを構築することができる。知的財産権と、日本で開発されている2022年のエンジンを手に入れる」

「ホンダから受けとるものはすべて有償だ。今後も様々な分野で協力していく」

レッドブルはホンダに支払う金額を明らかにしていないが、チームがパワーユニット・サプライヤーに支払う標準的な金額である年間1,800万ドル(19億7,694万円*)のエンジン代を上回る金額になる可能性が高い。

「新しいエンジンが来たら、2023年か2024年に自分たちで組み立てて製造する」

「これは素晴らしいプロジェクトだ」

「このために、必要なエンジン動力計(エンジン・ダイナモメーター)を購入したことは秘密ではない。問題が発生した場合、ホンダのサポートを受けることができるという約束がある」

「ただし、サポートを受けるには、人的キャパシティが確保されている範囲に限る。また、スタッフや動力計も彼らから引き継ぐ。彼らはとても優秀な日本人で、メルセデスからの移籍組と一緒に、とてもよいパッケージができると思う」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)2021年F1

ホンダF1マネージング・ディレクターの山本雅史は、アルファタウリとレッドブルに供給される来年のエンジンは、今年のパワーユニットをベースに、エンジン凍結前にできるだけ多くのパフォーマンスのアップデートを行うことになっていると語る。

山本雅史

「両チームが競争力を持てるように、技術面ではできる限りのサポートをしていく」

「マーケティング面については、(ホンダからは)最低限のサポートになるだろう」

「レッドブルのプロジェクトを我々がどのようにサポートし、マーケティングに関与できるかは、レッドブルと協議中だ」

レッドブルは、この新しいプロジェクトに数億ドル以上を投資する予定で、ミルトン・キーンズの新しいエンジン工場は、現在のところ2023年に使用可能になる予定である。

メルセデスは近年、エンジン部門に少なくとも400人の人員を配置しているため、レッドブルが2023年以降は同様の人数を期待できるかどうかをマルコに質問した。

ヘルムート・マルコ

「それは、新しいエンジンを開発するプログラムが並行して行われるかどうかによる」

「エンジンはアルファタウリとレッドブル・レーシングで使用される。大まかに言って、300人から500人が(このプロジェクトに)携わることになるだろう」

マルコは、レッドブル・パワートレインズのエンジンは、レッドブルとアルファタウリに独占的に供給すると述べている。F1に新しいパワーユニットが導入される2025年までは、他のチームへの供給を否定している。

F1規約では、供給するチーム数が最も少ないエンジン・メーカーが、必要に応じてパワーユニットを他のチームに提供することになっている。現在のところ、そのメーカーは、アルピーヌにのみエンジンを供給しているルノーである。

マルコは、F1の次世代パワーユニットが2025年または2026年にデビューする際に、ホンダやアウディ、ポルシェなどの新しいメーカーとの将来的なコラボレーションを除外していない。

「将来使われるバッテリーの種類に大きく依存するだろう。もちろん、ホンダはEテクノロジー(電動化技術)にも投資している」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)2021年F1

ホンダは2019年にレッドブル・レーシングとのパートナーシップを開始し、その年はマックス・フェルスタッペンが3戦で優勝するなど、初期の成功を収めた。今シーズン、レッドブルとホンダは本格的なタイトル争いを展開しているが、ホンダのF1離脱の決断は変わらなかった。

山本雅史

山本は、将来的にホンダがF1に復帰する可能性があるかという質問に対して「我々は今年で最後のプロジェクトを終了し、カーボンニュートラルと電気自動車にも力を入れていく」と答えた。

「将来については、ホンダはこの4月に新しいCEOが就任したので、何か考えているかもしれないが、今はまだ何も言えない」

「F1でメルセデスに追いつくために、我が社でも最高のエンジニアを使っている。だから、電動化やカーボンニュートラルのプロジェクトで、彼らを起用したいというのが主な理由だ」

-Source: RacingNews365
2021年02月27日
レッドブル2チーム、2022年以降もホンダPU技術を使用:ホンダとレッドブル公式発表
2021年04月06日
山本雅史、レッドブルが2022年にホンダのロゴのないパワーユニットでレースをするのを見るのは「複雑な気持ち」:ホンダF1マネージング・ディレクター
2020年10月02日
ホンダ、2021年でF1参戦終了:公式プレスリリース
2020年10月03日
ホンダのショッキングなF1撤退発表で浮上した6つの疑問に答える
*日本時間2021年08月23日22:59 の為替レート:1ドル=109.830000円