ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの衝突:2021年F1イギリスGP

レッドブルは、イギリスGPでマックス・フェルスタッペンと衝突したルイス・ハミルトンが受けた10秒ペナルティの再検討を求めていたが、これが却下された。一方、メルセデスは、ライバルたちがハミルトンの「名声と競技的誠実さを傷つけようとしている」と非難している。

7度のワールドチャンピオンであるハミルトンは、コプス・コーナーにおける衝突でフェルスタッペンが時速180マイル(290km)で障壁に突っ込んだ事故について、スチュワードによると「主に」責任があるとされ、ペナルティを科せられた。

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは激怒し、チームは23日に「再検討の要請」を提出した。スチュワード、およびレッドブルとメルセデスの代表者が、今週末のハンガリーGP前の29日(木)にビデオ会議で議論を行った。

FIAの国際競技規約は、「当該決定の時点で審査を求める当事者が入手できなかった重要かつ関連性のある新しい要素が発見された」場合には、このような再検討の請求を認めている。

マックス・フェルスタッペン、イギリスGPのクラッシュに関してハミルトンから電話を受けるも「アプローチは変えない」とコメント:F1ハンガリーGP木曜日
マックス・フェルスタッペン、イギリスGPのクラッシュに関してハミルトンから電話を受けるも「アプローチは変えない」とコメント:F1ハンガリーGP木曜日

レッドブルは4つの証拠を提出したが、それらはチームが作成したスライドであり、下記の内容だった。


・ハミルトンとフェルスタッペンのマシンから入手できたGPSデータ

・レース後半に同じコーナーでシャルル・ルクレールを抜いたときのハミルトンのとったラインとの「さまざまな比較とされる」GPSデータ

・いわゆるインシデントのラップ・シミュレーション

・アレックス・アルボンの操縦とされるラップをもとにしたシルバーストンでのハミルトンの1周目のラインの「再現」とされるもの

最後の証拠は、22日にシルバーストンで行われたレッドブルのリザーブ・ドライバーの撮影で集められた。

スチュワードは、提示された情報を検討した結果、「重要かつ関連性のある新しい要素」とはみなされないと判断した。

スチュワードは、スライドの一部は「『発見』されたものではなく、再検討の請求を裏付ける目的で作成されたものである。そして、それらは裁定時点で入手可能な証拠に基づいて作成された。これは明らかに第14条の要件を満たしていない」と続けた。

その結果、スチュワードは再検討の請求を却下し、ハミルトンのペナルティ、そして優勝は有効である。

「スチュワードは、参戦者の上記の手紙に記載されている(公表されていない)いくつかの申し立てについて、若干の懸念を持っている。このような申し立ては、再検討の請求が認められた場合、スチュワードに関連するものであったかどうかはわからない。スチュワードは、その後の決定において、これらの申し立てを直接取り上げたかもしれない。請求が却下されたため、スチュワードはこれらの申し立てについてはコメントしない」

裁定が発表された後、メルセデスはレッドブルがルイス・ハミルトンの「名声と競技的誠実さを傷つけようとしている」と非難する声明を発表した。



メルセデスAMGペトロナスF1チームの声明

メルセデスAMGペトロナスF1チームは、レッドブル・レーシングの再検討の権利を却下した裁定を歓迎する。

このインシデントの終了に加え、再検討の権利で提出された文書を含め、ルイス・ハミルトンの名声と競技的誠実さを傷つけようとするレッドブル・レーシング上層部による試みが、この裁定によって終結を意味することを期待している。

我々は今週末のレーシングと、2021年FIAフォーミュラワン・ワールドチャンピオンシップの激戦を続けることを楽しみにしている。

レッドブルはスチュワードの裁定についてまだ公式にコメントしていない。

-Source: The Official Formula 1 Website
2021年07月28日
レッドブル、イギリスGPの「ハミルトンのペナルティ再検討」をFIAに要請
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