ホンダがF1から撤退して以来、この日本企業が製造、組み立て、サポートするパワーユニットが、今シーズンのグランプリ11戦中7戦で優勝している。
エンジンにはレッドブルのバッジが付いており、ホンダがまだ関与していることを示す証拠は、RB18と姉妹チームのアルファタウリのそれぞれのエンジンカバーの後ろにひっそりとあるHRC(Honda Racing Corporation / ホンダレーシングコーポレーション)のロゴのみである。
ホンダの経営陣は、彼らの技術が大きな成功を収めたにもかかわらず、退場の決断を受け入れた。 しかし、それは同社が永遠にF1と決別したことを意味しない。むしろその逆である。社内には復帰を熱望する声も多いと見られている。
彼らが撤退した最大の理由は、同社全体でカーボンニュートラルを達成するという目標に集中するためである。彼らは、数億ドルにのぼるF1資源をその目標達成に振り向けている。
2021年トルコGPでレッドブルが走らせた、一度限りのホンダカラーリング
しかし、この野心は2030年までにネットゼロを達成するというF1独自の目標にうまく合致する。F1が計画している一連の変化のなかに、2026年にエンジン方式を見直すとともに100%持続可能な燃料を導入する予定が含まれている。
先週行われたレッドブルのホームレースには、ホンダの三部敏宏CEO、HRCの渡辺康治社長、そしてホンダの最後のF1参戦で重要な役割を果たした浅木泰昭取締役を含む、ホンダの幹部一行が来ていた。
そこで、レッドブルのエナジーステーションで渡辺康治を捕まえ、ホンダとHRCが2026年の規則変更に後れを取らないようにすることに関心があるかと尋ねると、彼はこう答えた。
「F1はモータースポーツのトップカテゴリーなので、F1の世界で何が起きているのか、常に見守っている」
「もちろん、我々は(F1での)活動を終えて終了したばかりなので、2026年シーズンについてホンダ社内では何も議論されていない。だから、計画はない」
「(F1に対して)ドアを閉ざしたわけではない。私の理解では、F1は2026年の規則を決めるために議論しており、間違いなくその方向はカーボンニュートラルだ。それは我々と同じ方向性だ。F1でカーボンニュートラルを研究するおそらくよい機会なので、閉ざされたドアではない」
クリスチャン・ホーナー(左)、レッドブルの現エンジンコンサルタント山本雅史(中央)、ヘルムート・マルコ博士(右)
渡辺康治HRC社長は、ホンダは2026年のエンジン規則の議論には参加しておらず、「ただ見ているだけ」だと語った。
ホンダが今、優先しているのは、量産乗用車でカーボンニュートラルを達成することだが、渡辺は「これが実現できるとわかれば、F1も検討できる」と語る。
もし、2026年にホンダが復帰することになったら、いつまでに決断しなければならないのだろうか。渡辺は「正確な時期はわからない」と述べた。
「でも、もし2026年にF1に復帰したいのであれば、おそらく1年から1年半の間に決めなければならないだろう」
短期的には、ホンダは引き続きレッドブルとアルファタウリの物語に関わり続ける。
「ホンダは両チームのチーム・パートナーのような存在になるだろう。詳細はまだ決まっていないが、HRCは2025年まで両チームの技術パートナーのような存在になるだろう」
長期的には、ホンダとF1との恋愛関係の第5章の可能性が残されている。
-Source: The Official Formula 1 Website
2021年12月09日
2022年01月14日