アンドレアス・ヴァイセンバッハー(BWTのCEO):2021年F1シュタイアーマルクGP
アンドレアス・ヴァイセンバッハー(BWTのCEO):2021年F1シュタイアーマルクGP

シュタイアーマルクGPのタイトルスポンサーであるBWT(ベストウォーターテクノロジー)社のアンドレアス・ヴァイセンバッハーが、水処理、持続可能性、ピンク色のアストンマーティン・レーシングマシンについて語る。

ピンク色のキャップをかぶった彼は目立つ。アンドレアス・ヴァイセンバッハーは、自らの会社、BWT(ベスト・ウォーター・テクノロジー)と完全に一体化している。水処理は世界的な事業分野であり、資源の節約によって世界をより持続可能なものにすることが彼の個人的な目標である。

オーストリア、ザルツブルク州ヒンターゼー地区フラッハガウ村出身のアンドレアス・ヴァイセンバッハー(61歳)は、モンゼーにあるBWT本社をはじめ世界中で働く5,000人の従業員のボスである。同社は、多数のスポーツ、そして最近ではハイカルチャーの最大スポンサーのひとつである。彼は、大ファンのように熱心にF1ドライバーやサッカー選手を訪問したときの写真を自身のスマートフォンで見せてくれる。もちろん、F1ファンであればシュピールベルクで観戦するだろうが、彼はシュタイアーマルクGPのタイトル・スポンサー、BWTのCEOとして参加したのだ。

トラックのランオフエリア、障壁、トップ3のインタビューの背景などなど至る所にBWTのピンクがあふれている。

2021年06月27日
F1シュタイアーマルクGP決勝レース
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティンAMR21)2021年F1
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティンAMR21)2021年F1

アンドレアス・ヴァイセンバッハーとセルジオ・ペレス:レーシング・ポイントの2020年F1マシン発表会
アンドレアス・ヴァイセンバッハーとセルジオ・ペレス:レーシング・ポイントの2020年F1マシン発表会

ランス・ストロールとセルジオ・ペレス、レーシング・ポイントRP20
ランス・ストロールとセルジオ・ペレス、レーシング・ポイントRP20

Q:アンドレアス、「ピンクパンサー」と呼ばれたことはありますか?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:いい質問だ。我々にとってはなじみ深い言葉だ。ピンク色は、我が社のトレードマークであるだけでなく、ある種の優雅さもある。

Q:カンパニー・カラーとしてピンク色を採用したいきさつは?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:パリでの展示会までさかのぼる。あるビジネス・パートナーから、第4ホールに、贅沢にもふたつ目のブースがあるね、と言われたんだ。実際は、そのブースは我が社のものではなかったので、気になっていた。そしてザルツブルクに戻る飛行機の中で、外見を大きく変えて、見間違えられないようにしようと考えた。だから会社全体がピンク色になったんだ。

Q:スポーツのスポンサーシップ、そして今では文化のスポンサーシップに関わるようになった理由は?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:これからザルツブルク音楽祭に協力することができてとても喜んでいる。ユニークな会長がいる素晴らしい組織だ。ザルツブルクから、アーティストや観客と一緒に目標に向けて新しい層に到達する。文化に長期的にコミットメントすることで、スポーツへのコミットメントを補完する。

我が社がスポーツ、特にモータースポーツに深くかかわるようになったのは、ヴィリ・ドーフリンガー(オーストリアのエレクトロニクス企業AT&Sの元CEOで、ドイツのスポーツカーメーカHWA AGの監査委員)のせいだ。彼は「アンドレアス、会社のために何かしなければならない、DTMに投資しろ」と言ったんだ。わたしは、それは違うなと思った。そして、彼と夜中まで話し合った結果、DTMでピンクのメルセデスが1台生まれたんだ。これが2台になり、オーストリア人のルーカス・アウアー(ゲルハルト・ベルガーの甥)がそのマシンに乗ることになった。それからわたしはF1に目を向けるようになった。

モータースポーツでは、DTM、GTマスターズ、ポルシェ・スーパーカップ、F4に関わっている。スキー、スキージャンプ、アイスホッケー、テニス、ハンドポール、バレーボール、もちろんサッカーにも関与している。サッカー・クラブを支援しているし、オーストリアのリンツからフランス、ブルターニュ地方のレンヌまで、スタジアムに広告を出している。

Q:F1で、ピンクのレーシング・ポイントが緑のアストンマーティン・ワークスチームに変わった時、御社は一歩退かなくてはなりませんでした。マシンにおける存在感が減ったことは妥協なのですか?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:アストンマーティンのボス、ローレンス・ストロールは、わたしが心を痛めていることを理解している。アストンマーティンがピンクなら、認知度がかなり高くなるはずなので、タイトル・スポンサーのコグニザントも喜んだだろう。ビジネス的観点からすると、(緑色にしたのは)間違っている。歴史的に、ブリティッシュ・レーシング・グリーンは多くの人に理解されているが、わたしには理解できない。アストンマーティンはテレビで目立たない。

Q:スポーツのスポンサーになることでビジネスに影響があることを実証できますか?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:それは常に議題になる、その対象がどれだけの感動をもたらすかだ。実際、数年前とは我が社に対する認識が全く異なっている。BWTは革新的な企業であるという認識を作り出すことができた。だからこそ、F1でもピンク色が存続できるよう、あらゆる手を尽くしたい。オーストリアの2戦でタイトル・スポンサーを務めるという同意に達したことで、F1のステファノ・ドメニカリCEOには感謝している。もちろんレッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツも、シュピールベルクをピンク色をしてくれた。

Q:今年、BWTの名前がつくレースがまだありますか?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:財政的に可能かどうかの問題なので、非常に慎重にしなければならない。今は、オーストリアでの機会にとても感謝している。

Q:BWTのロゴマークは、来シーズンもアストンマーティンのマシンに描かれますか、それとも他チームと交渉しているのですか?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:我が社はアストンマーティンと非常にプロフェッショナルな協力をしている。他チームとは交渉しない。

Q:あなたにとって、最高の瞬間と、最もがっかりした瞬間は?

アンドレアス・ヴァイセンバッハー:最高の瞬間は、セルジオ・ペレスが優勝した2020年サキールGPだった。レース日、ホテルで朝食をとったとき、セルジオに今日は君が優勝すると約束したんだよ。そして実際に彼が優勝した! 最もがっかりしたのは、ローレンス・ストロールにアストンマーティンをピンクにするよう説得できなかったことだね。エゴイズムではなく、純粋な理由だ。ピンクのマシンはより多くの注目を集めるので、より大きな広告効果をもたらすんだ。
2020年12月07日
F1サキールGP決勝 セルジオ・ペレス初優勝
-Source: Speedweek